最高裁判所の下に、高等裁判所が8庁、その下に地方裁判所50庁と家庭裁判所50庁、さらに地方裁判所の下に438庁の簡易裁判所がある。
裁判所の組織は、裁判部と事務局の2つに大別される。さまざまな事件の審理・裁判を行う裁判部には、民事部、刑事部、家事部、少年部がある。一方、事務局には総務課、人事課、会計課などが設置され、人や設備などの面から裁判部を支えている。以下に裁判所で活躍する各職種の具体的な仕事内容を紹介しよう。
●裁判所事務官
裁判所事務官は、裁判部では裁判所書記官のもとで各種の裁判事務に携わり、事務局では司法行政事務全般に従事する。裁判部と事務局は、互いに連携を取りながら仕事を進めている。その中で裁判所事務官は、裁判が適正かつ迅速に行われるよう、さまざまな部署に所属し、活躍している。
●裁判所書記官
裁判所書記官は、裁判部に配置される法律の専門職で、法律上、固有の権限が付与されている。
具体的には、法廷に立ち会って手続の内容を記録化する調書の作成や、強制執行を可能とする執行文の付与などのように、訴訟上の事項について証明する権限を有する「公証官」としての役割のほか、裁判官の行う法令や判例の調査を補助したり、弁護士や検察官、訴訟の当事者等と打ち合わせを行い、訴訟の進行管理を行うといった役割を果たしたりする。
裁判所書記官は、裁判手続のあらゆる場面において、高度な法的知識に基づいてさまざまな事務を担当し、適正迅速な裁判の実現に重要な役割を果たしている。
●家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学などの行動科学の知識や技法を活用して、家庭裁判所で取り扱う家事事件(家庭内の紛争などの家庭に関する事件)や少年事件で調査を担当する。家事事件では、紛争の当事者や親の紛争の渦中にある子どもから話を聴くなどして調査を行い、当事者や子にとって最善の解決方法を検討し、裁判官に報告する。
少年事件では、非行を起こしたとされる少年本人、保護者はもちろん、場合によっては学校関係者等にも面接して調査を行う。生活環境や生育歴も含めて調査を行い、その上で少年を更生させるために最善の方策を検討し、裁判官に報告する。
これらの報告は裁判官が審判や調停を進める上で重要な材料となり、人の将来に大きな影響を与える。それだけに責任は重いが、非常にやりがいのある仕事だといえる。