消防官の役割は、火災や事故の現場に駆けつけて、消火・人命救助活動を行うこと。東京消防庁の消防官は、都民の生命・身体・財産を火災その他の災害から守り、安心して暮らせるよう日夜業務に励んでいる。
消防官が出動する時は一刻を争うため、各部署がそれぞれ迅速に対応することが求められる。119番通報が災害救急情報センターに入ると、そこから現場に近い消防署に火災発生の指令が出され、ポンプ隊・救急隊・指揮隊等が出動する。現場に到着するとただちに、人命救助活動、消火活動を行う。
また、消防官は災害対応にあたることだけが仕事ではない。火災予防のため、オフィスビルやホテル、ショッピングセンターなどの立入検査を行うほか、学校や企業での自衛消防訓練を指導するのも重要な任務となっている。
その他、海や山での事故、化学物質による事故などに対応するため、水難救助隊、山岳救助隊、化学機動中隊、航空隊および東日本大震災で活躍した消防救助機動部隊(通称ハイパーレスキュー隊)なども組織されている。
女性消防官には、毒劇物等に係る特殊な災害活動業務への従事制限があるが、それ以外の業務内容は男性消防官と同じだ。
東京消防庁は、消防職員18,894人、消防拠点303か所で組織される世界有数の消防機関だ。その消防官採用試験(選考)は、専門系、Ⅰ類、Ⅲ類の3つの区分が設けられている。
専門系は、法律、建築、電気、電子・通信、化学、物理、土木、機械の8つの専門区分に分類されている。選考は1次と2次がある。
Ⅰ類の1次試験は、教養試験、論文試験、適性検査(性格検査)、資格・経歴評定による教養試験方式と、適性検査(SPI3-U)、論文試験、資格・経歴評定による適性検査方式があり、いずれかの試験方式を受験生が選択できる(※Ⅰ類2回目は教養試験方式のみ)。Ⅲ類の1次試験は、教養試験、作文試験、資格・経歴評定、適性検査(性格検査)を実施する。
それぞれの1次試験合格者に対して2次試験が行われ、1次試験と2次試験の結果によって合否が判定される。
教養試験は、消防官として必要な一般教養が問われるもので、Ⅰ類は大学卒業程度、Ⅲ類は高校卒業程度の五肢択一式の試験になっている。市販の問題集等を利用し、しっかり勉強しておこう。
入庁後は全員、全寮制の消防学校に約6か月間入校する。消防学校では、座学により消防活動や防火防災に関する基礎知識を習得するとともに、消防活動訓練や、機器取扱訓練などの実科訓練を通じて、災害現場においてポンプ隊員として活動するために必要な技術やチームワークを身につける。
勤務体制は、所属や担当業務によって異なる。ポンプ隊や救急隊、特別救助隊など災害対応にあたる職員は、3週間を1サイクルとする3交替制勤務だ。
給与や昇任について男女の差はない。昇任は厳正で公平な昇任試験によって行われるので、努力次第で上位の階級への昇任が可能だ。