超高層オフィスビル、駅や店舗が複雑につながった地下空間、建物が密集した繁華街……。このように多くの人が集まり、利用する場所で万一、火災や事故が起こった場合、その被害の大きさは計り知れない。そこで、人命を尊重し、国民生活の安全を守るため日夜活躍しているのが消防官だ。
消防官といえば、まず頭に浮かぶのが消火活動だが、業務はこれだけに限らない。119番通報を受けて迅速に情報を伝達・指示するのが指令業務。状況を正確に、しかも迅速に伝えることが大切になる。出動後は火災や事故現場での消火、救助活動に従事する。水難事故、山岳事故での救助活動もある。病人やけが人の救急業務も消防官の仕事で、救急車内での応急処置と搬送を担当する。救急救命士の資格があれば、高度な救命処置もできる。
このように、いったん災害や事故が発生した場合に、被害を最小限に防止すると同時に、未然に災害を防ぐことも消防官の重要な役割の一つ。消防用設備等の立入検査や防災対策についての指導、学校や自治会での初期消火訓練や防災イベントの実施などの指導・広報業務もある。火災原因の調査・究明も消防官の仕事だ。そのほか災害に強い街づくりや消防官の安全確保のための科学的な検証、物質の鑑定や分析も行う。