日本の数ある伝統芸能のうちでも非常に親しみやすく、庶民に受け入れられてきたのが落語。
落語家は江戸時代の庶民の生活や因習、文化などを踏まえて作成された演目を、寄席などにおいて身ぶり手ぶりを入れながら演じ、観客を楽しませるのが主な仕事である。
小道具として使われるのは扇子と手ぬぐいだけ。これを箸やキセル、手紙、巾着などに見たて、ひたすら身振りと語りのみで物語を進めていく。それだけに深い教養に巧みな話術、ときにはユーモラスな演技も必要になり、一人前になるには才能と努力の両方が必要となる。しかし、国内では根強い人気を誇るエンターテイナーということで、落語家を目指す人は少なくない。
落語家になるには、まず師匠に弟子入りしなければならない。自分の尊敬する落語家や、目標となるような落語家を直接訪ね、弟子入りをお願いするのが通例だ。
もちろん、「はい、そうですか」と入門できるわけではない。師匠によって入門の基準は異なるが、日本文化を誇りに思い、しっかりと理解した上で弟子入りをすることが望まれる。
最近では落語家になるために、大学の落語研究会などである程度修行を積み、自信をつけてから入門を目指す人が増えている。だが落語研究会に入ることは必ずしも必要とはいえず、それどころか誤った知識や技術が体に染みついてしまう可能性も否定できない。こうなると、むしろ修行の邪魔になることさえあるので、十分に注意しなければならないだろう。
落語の世界には現在、落語協会と落語芸術協会、上方落語協会の3つの協会があるが、あえて協会に加盟せずに独自に活動している落語立川流や五代目円楽一門会などもある。
落語家の弟子となる以上、師匠とは一蓮托生の覚悟が必要なので、芸風や人間性なども考慮に入れた上で師匠を選びたい。