レストラン、劇場、フィットネスクラブ、プールなどを備え、「動くホテル」ともいわれるクルーズ客船。こうした豪華客船やフェリーをはじめ、総トン数20トン以上の大型船舶を運航するために必要なのが海技士(航海)免許で、小型船舶操縦士に対して“大型免許”と呼ばれることもある。
船舶は、用途、航行区域、推進機関の出力などによって船舶職員の乗組み基準が決まっている。その乗組員を管理・監督するのが船長。乗客や積荷を安全に目的地まで運ぶ船の総責任者で、船の安全のために強い権限を持っている。船長は、気象状況や海象、潮流などを考慮して船の運航計画を作成。また港に出入りするときや、狭い海峡や水道を通過する際には、自ら操船の指揮をとる。
航海士は、船長が作成した運航計画に基づいて甲板部を指揮して見張りや操船などの業務を行う。また、港での荷物の積み下ろしの監督や航海中の積荷の管理、航海計器や海図の管理なども航海士の仕事だ。
大型船舶で船長や航海長、航海士になるために必要な海技士(航海)の免許は、1級から6級に分かれていて、乗組みの対象となる船舶が決まっている。免許取得のためには、年4回、各地方運輸局で実施される国家試験に合格するとともに、所定の免許講習を受けなければならない。なお、免許取得年齢は18歳以上だ。
国家試験は筆記試験と身体検査と口述試験で構成される。国土交通大臣の登録を受けた船舶職員養成施設の課程を修了した場合は、筆記試験が免除される。この船舶職員養成施設には、海事系大学(東京海洋大学、神戸大学海洋政策科学部、東海大学海洋学部)や商船高等専門学校、海上技術短期大学校、海上保安大学校、海上保安学校、水産大学校などがある。