国土交通省に属する海上保安庁は、本庁および11の管区本部で構成され、犯罪の捜査や逮捕といった海の警察、火災船の消火など、海難救助を行う海の消防的な仕事のほか、水路の測量や海図の作成など、海に関する幅広い業務を担当している。その海上保安庁の幹部を養成する学校が海上保安大学校だ。1951年(昭和26年)、海上保安庁の付属機関として設置された。
同大学校の教育は、本科4年と海上保安官としての専門教育をさらに深める専攻科と研修科国際業務課程の計約5年にわたって行われる。
本科のうち、1学年と2学年で「基礎教育科目」を学び、幅広い教養を身につける。また、4年間を通じて「専門基礎科目」や、逮捕術、潜水、救急安全法などの「訓練科目」および小型船舶、通信実技などの「実習科目」を学ぶ。また乗船実習も1学年から行う。
2学年からは「専門教育科目」を学び、行政法・国際法などの法律関係および海上保安行政関係の専門知識を習得する。さらに、2学年後期からは「専門基礎科目(群別)」において航海・機関・情報通信の3分野から専攻を選び、海事系の専門知識を習得する。
本科(4年間)を卒業すると専攻科(6か月)に進み、実務教育が実施される。練習船「いつくしま」での遠洋航海実習では、船舶運航技術を学びながら国際感覚を培う。
卒業後は、巡視船の主任職員として配属された後、海上勤務と陸上勤務を繰り返し、キャリアを積んでいく。
海上保安大学校には2021年度から大卒者を対象とした初任科(2年目は特修科に編入)も設置されている。