以前は視覚障害者は盲学校、聴覚障害者はろう学校、知的障害者、肢体不自由者、病弱者は養護学校と、障害の種類ごとに学校が分かれていた。しかし、2007年4月、児童生徒の障害の重度・重複化や、障害のある児童生徒数の増加に対応した適切な教育を行うため、学校教育法を改正する法律が施行され、盲・ろう・養護学校が特別支援学校に一本化された。
特別支援学校は、障害のある児童や生徒に対して、一般の小・中・高校に準拠した教育を行うとともに、障害による学習上および生活上の困難を克服し、自立を図るための知識や技能習得の指導にもあたる。特別支援学校教諭は、基本的生活習慣を身につけさせる指導を行ったり、作業学習を通して就労に向けた個々の能力の向上に努める。また、子どもたちが障害を持って生きていくためのサポートもする。
さらに、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など、小中学校などで障害があって、特別な支援が必要な児童や生徒に対する教育上のアドバイスや援助も行う。それだけに、特別支援学校の教員は、福祉や心理学も含め、障害についての基礎的な知識を身につけていなければならない。
学校の一本化とともに免許も一本化された特別支援学校教諭の免許取得には、小・中・高校・幼稚園のいずれかの普通免許の取得が必要だ。特別支援教育には、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者、病弱者の5領域がある。免許の授与に際しては、科目の修得状況等に応じて領域が定められ、指導もその領域に限られる。
特別支援学校教諭にも、他の教員免許と同じように一種・二種に加え、専修免許がある。専修免許は、一種免許を取得した後、大学院で障害児教育を専攻し、所定の単位を修得すれば取得できる。
実際に教員になるには、各都道府県の教育委員会が行う教員採用試験に合格しなければならない。