下のチャート図でわかるように、保健師は全員、看護師の資格をもつことになっている。大きく分けると、病気になった人を対象にするのが看護師、そうでない人々の健康を守るのが保健師と考えればよい。
職場は学校、保健所、市町村役場などで、集団の健康診断、戸別訪問による保健指導が主な業務である。健康診断では、乳幼児検診、学校の健康診断、市区町村が行う成人向けの集団健康診断などを企画・実行し、結果を整理して地域住民の健康問題を研究する。
戸別訪問による保健指導は、妊婦や乳幼児、高齢者のいる家庭がおもな対象になる。核家族で相談する人のいない妊婦や母親にとって、保健師の存在が大きな救いになっている。
また、2006(平成18)年に改正された介護保険制度では“介護予防”に重点が置かれ、要支援と認定された人や健康な高齢者に対して、予防的なケアを通して要介護者が増えないよう努めるようになった。この分野でも保健師が活躍しており、たとえば地域包括支援センター(地域住民の福祉・介護に関する相談に対応しサポートを行う。介護保険法に基づきすべての市町村に1か所以上設置)で、多くの保健師が働いている。