手話は、音声言語とは異なる語彙や文法体系をもつ独立した言語である。2011(平成23)年の改正障害者基本法には手話が言語であると明記されている。手話通訳は、外国語通訳と同じように、手話と音声言語を使って行われる言語通訳なのだ。
手話通訳は、耳が聞こえず手話を日常的に使用する人と聞こえる人が触れ合う、あらゆる場面で必要とされる。活躍の場は広い。公的機関に登録して、聞こえない人が医療施設や役所などの公共機関を利用するときや学校や企業の面接を受けるときなど生活に密着した場面での通訳を中心に活動する以外に、ホテルや銀行・携帯電話会社など民間企業の社員として、あるいは公務員や医療関係者として手話通訳技術を活かす人、大学や学術分野などの専門領域で通訳を担う人もいる。また、通訳に赴く以外に、地域の手話通訳者養成講習会や大学・専門学校などで講師を務め、後進の育成や手話の普及に携わっている手話通訳者も多い。
近年、医師、薬剤師、看護師、弁護士、研究者等、専門領域で活躍する耳の聞こえない人が増えている。聞こえない人たちの生活範囲・活動範囲の広がりにつれ手話通訳の重要性についての社会的認知度もあがってきた。
手話通訳の専門技能を社会的に保証するため、1989(平成元)年に手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)が制度化された。学科試験と実技試験に合格すると、公的資格である「手話通訳士」を名乗ることができる。
資格を得るには、自治体などが主催する講習会で学び地域の通訳者として現場体験を深めながら資格取得を目指す人が多い。埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンター学院と国立大学法人群馬大学では、手話通訳を専門的に学ぶことができる。