柔道整復師という名称にはなじみが薄いかもしれないが、「接骨院」や「整骨院」という言葉なら聞いたことがある人は多いだろう。そうした接骨院で「ほねつぎ」をしてくれる先生、つまり一般には「接骨師」「整骨師」などの呼び名で知られている職業の正式名が、柔道整復師なのだ。
柔道整復とは、もともと日本古来の柔術において、けが人を回復させる技術として伝承されたもの。東洋医学と西洋医学の影響をともに受けながら発達してきた。つまり人間の自然治癒力を引き出して、捻挫、打撲、挫傷(筋や腱が損傷すること)、脱臼、骨折などの患部に対して回復を図ることが、柔道整復師の役割である。その場合、他の医療機関と同様に、施術には健康保険が適用される。たとえば交通事故による打ち身や外傷、痛みを伴う後遺障害や、スポーツによる障害などに対するケアは、柔道整復師の得意とするところ。医療機関のリハビリテーションスタッフやスポーツ施設のアスレティックトレーナーとして働く柔道整復師もいる。
資格を得るには、国家試験に合格しなければならない。試験には、解剖学や生理学を含む高度な専門知識が出題される。そのため、指定の養成施設で3年以上、専門知識を修得することが国家試験受験の条件だ。なお、社会の要請に応えてより質の高い人材を育てるため、養成施設のカリキュラムが見直された。2018(平成30)年度以降は、実習や授業の時間数が、引き上げられている。詳しくは養成施設の入学案内などで確認しよう。