救急救命活動は一分一秒を争う。ほんのわずかな時間が生死を左右するが、かつては、救急車内では簡単な応急処置しかできず、医療機関に到着した時にはすでに手の施しようがないという例が数多くあった。
そこで、救急医療システムを改善しようと1991年に法制化されたのが、救急救命士の制度だ。
救急救命士は、患者の生命が危険な状態にある場合には、搬送途上で、生命の危険を回避するためのさまざまな処置を行う。
より多くの人命を救いたいという観点から、救急救命士が行える処置の範囲は少しずつ拡大してきた。
もっとも画期的だったのは、心停止状態の人に対する除細動の処置ができるようになったこと。除細動は非常に救命効果が高いことから、2004年からは一般の人も使えるようになり、専用の装置(AED)が空港や駅などに設置されている。
その後さらに、救急救命士が挿管による気道確保や強心剤等の薬剤投与、輸液等もできるようになった(ただし所定の実績や研修が必要)。救命システムの変化とともに、救急救命士の責任と使命はますます高まっている。